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2019最後の“ひとりごと”

建築会社に勤務し都会暮らしを満喫しているさなか、両親から帰れコールがあり家業を継ぐ覚悟を決めた。

それからの37年という永き歳月をこの生まれ島で過ごしている。

当時父親の元に従事していた棟梁や職人たちは世間知らずな若造長男の登場によりまもなくして去っていった。

ひとり数件の住宅工事をかかえ、翌日職人が即仕事に取り掛かれるように夕方から型枠や鉄筋の加工を済ませ、夜は見積もり、加工図、日中は職人として働いた。

当時がとても懐かしく清々しく思い出される。

頑張ったつもりはない、本当に楽しかった。

私の帰省後、潔く身を引き、経営に口を挟まず、頼りない30歳手前の私に全てを託してくれた父親を今更ながら凄いと思う。

父は大工の棟梁として地域の木造建築を数多く手掛けて来た。

父の父もまた、棟梁として技術を発揮してきた。

以前、竹富島の伝統地区改築工事で棟木に刻まれた祖父の名前を発見して感激したのを覚えている。

そしてまた同じように昨年工事をした伝統地区改築工事に父の名を見つけ、さらに市内改築現場からとして棟木が同業者によって届けられた。

当時は独学で技術を身につけ、自分の生業としてきた時代。

現代とは真剣さの度合いが違っていたに違いない。

木造に加え鉄筋コンクリート工事も習得し、母との二人三脚で多くの信頼を受けて来た。

規則正しい生活をし、会社に顔を出し、そっと成り行きを見続けてくれていた父も98歳で他界した。

数日前からその机を私が使用し始めた。

背筋が張っている!

果たして自分は父のような足跡が残せるのだろうか…

私たち建築の仕事は現場が全て!

お客様が私たちに家造りという大きな夢を委ねて下さった。

お施主様には絶対最後に喜んでいただく!

そんな強い信念で引き続き「喜び行動」をしてまいります。

「現場きれい」の実践が「安心・安全・信頼」すべてに繋がる」を合言葉に。

2019年余すところあと数日!お健やかにお過ごしくださいませ、ありがとうございました。

㈱前木組   前木繁孝

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